日常のつぶやき

日常のつぶやき 日記風に書いています。

動悸

最初の発症は19歳の頃

1人元炭鉱の街で看護学校に通っていた

1人と言っても下宿で一日中仲間と暮らさなければならなかった。

高校生まで住んでた札幌が大都会で恋しくてたまらなかった。

そんな時期に動悸が始まり

フルマラソンをずっとしているみたいに心臓が跳ねて脈は1分間に160も打った。

病院つきの学校だったので発作が起きた時

内科の先生に診てもらい

突発性上室性頻脈と診断された。

心房の方で起こる発作だし悪いものではない

放っておけばいつかは治ると言われた。

しかし発作が起きている時はとても辛く

ピタっと止まったあとはぐったり倦怠感が襲った。

多分過呼吸発作と似ているんだろうな…と思った。だからほんとに過呼吸起こしている人の気持ちがよくわかる。

違う土地でまた学校に入った時は

お酒とタバコが近くにあり

発作は起こり易かった。

その時循環器科の先生に

手術で治す方法があると言われたが

鼠径からカテーテルを入れて心臓まで到達させて発作が起きてる伝達物質?を焼いて治す方法を教えて貰ったが死ぬほど恐ろしいので

この発作に付き合って行こうと思った。

この心臓でお産や卵巣の手術も乗り越えてきたのでちょいちょい起こす発作もタバコとアルコールが行き過ぎた時にしか出ないので…と思っていたが

40後半の歳になり生理不順、更年期障害も見え隠れし心臓がばふらめくことが頻繁になった。

1番辛いのは夜勤。

夜勤中動悸にやられたまらない時があった。

死にはしないけど死ぬくらい心臓が高鳴る。

1分間に160回を4時間続くとへとへとであった。

ある日夜勤前にスマホを見ているだけなのに発作が起こった。

息を止めたり頸動脈を抑えたりしたがなかなか止まらなかった。

これはいかんと夜勤前に循環器病院にかかり

再び診断をうけ手術をすすめられた。

手術はやはりためらった。

たまたまいた北大からの出張医に

このまま帰っても行かないでしょうと無理矢理な感じで北大に予約を入れてもらい…本腰で手術をする事になった。

手術と言ってもカテーテル手術。

お腹や胸を開くわけじゃない。

ぶっとい針を鼠径部に刺すだけ…

そう刺すだけ…で電極で心臓をちょっと焼くだけ…

怖い…な…けど頑張る。娘たちのため。

北大の先生に渡す前に紹介状をこっそりのぞいてみたら

本人乗り気ではないですが若干年齢が若いためアブレーションを勧めた次第ですと。

 

喜んでいいんだか悲しんでいいんだか…

まあこれからも元気に生きていくために頑張るとする。

 

東京

東京は住むところじゃない

呪文のように聞かされていた

口を揃えたみたいに言うもんだから

東京は魔物が住むくらいに思っていた。

東京の大学のほうが簡単に受かるよという高校の先生の助言も

いいえ私は自力で道内の学校を受け北海道から離れませんと言っていた。

それを拭払するようなことってあるんだ…

四十半ばにして東京の虜になってしまった。

いやちがう、

会いたい人に会いに行く。

人生悔なく…という言い訳を自分の中でして

ひとり東京に行く。

家族と東京に行くのとはまるで違う東京

現実とは違う感覚。

 

羽田からモノレールに乗りそこから見える風景は植物が絡むベランダに洗濯物が干されており、その下の公園では子供たちがサッカーをして遊んでいた。

日常の風景だろうけれど田舎者にはカルチャーショックに似たものがある。

立ち並ぶビルのスレスレにモノレールが走りそのビルのベランダにも洗濯物…すごい不思議な光景にわくわくしていた。

山の手線の乗り換えも3回目になると体が覚えておりまるで地下鉄東西線乗り換えと同じ感覚になっていた。

到着した新宿東口は「私は人混みに酔う」と豪語していたにも関わらず波に乗って歩き

逆にスキップしたい気分だった。

ドブ臭い匂いも平気。すすきのでもそんな匂いがするし。

地下で繰り広げられるイベントは異様な感じより同じ空間にいられる多幸感が勝っていた。

 

東京でどこに泊まって…どこの駅に乗って…とまるでお泊まり会の計画をたてるみたいに東京の格安ホテルを検索するのが趣味となった。

いつの間にか会いたい人はそっちのけでそんなことばかり考え、つないでくれた素敵な女友達、素敵な飲み屋にいくのがこの上ない贅沢だった

終電近くまで飲んでギリギリ東京の電車に乗る

乗り越えを間違えてもう乗る電車がない

終電の点滅する文字

大都会の白金台駅のホームにたたずむ

あぁ私は今一人なんだと思った

 

仕事帰りに飛行機に飛び乗って一度泊まりたかったホステル

 

浅草に着いたのは23時

誰もいない浅草の街道をテクテク歩く

一人だけど楽しかった

ようやく辿りついたホステルは外人が多く

匂いに咽せ返りそうだったが

初めての体験ばかりで寂しいとか辛いとか

どこかに吹き飛んで行った

 

 そんな東京…

 いろんな思い出を作り東京とさよならする

復路でみるキラキラした夜景の上を旋回しながら飛行機は上がり窓から下をのぞく

東京の夜景をまたみたい